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だから、私はコンサートをすることにした。

2019年、7月、会社を辞め、オリンピック開会式前日の2020年7月23日、調布グリーンホール。 オリンピック閉会式翌日の2020年8月10日調布たづくりホール確保した。 そして2020年3月24日オリンピック延期。新型ウィルスによる集会禁止。 一生に一度の地元のオリンピックで、外国から来た方に日本の音色でおもてなしをするという企画が、未曽有の事態によって、違う方向へ。 いつも最悪に見える人生のタイミング。運命は自分にいったい何を教えようとしているのか。 たった一人の音楽パートナードンとドンキホーテのように無鉄砲な企画に立ち向かう名もなき車いす。空を飛べるか。

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平和まつりでのバンド演奏


Nさんのバンド演奏を聴きに行った。平和まつりのプログラムだ。今日も「しびんちゃんの歌」は絶好調で、「銀色のランナー」、で車椅子で突っ走り、最後は皆で平和の歌「ケ・サラ」の合唱。(私は時間が押して最後まで聴けなかった。)

Nさんは同じ車椅子で、進行の遅い筋ジストロフィーのミュージシャン。
正直、そんなに歌はうまいわけではないが、ハートがあって、その場を暖かくする。いつもすごいミュージシャンに囲まれている。

Nさんに、なんで、そんなにすごいミュージシャンが集まってくるんですか?と聞いたら、「なんか、僕が可哀想に見えるからじゃない?」と身も蓋もないことを言う。

ダジャレを言いながら、しょっちゅうヘルパーさんといっしょに日本全国を旅して、小学校でコンサートを開いたりしながら、全国のうまものとうまい酒にありついている謎の人物だ。でも、平和についてはちょっとうるさい。

憲法9条を守るのは、死んだ母ちゃんとの約束だと言っている。

以前、Nさんが、私の参加している打・GAKUDAN四季を平和コンサートに誘ってくれたことがある。憲法9条を守るコンサートということだったが、メンバーのすべてが賛成しなかったので、結局没になった。当の私も、平和を守ってきたのは9条ではなく、日本人自身だと思っている。

Nさんに言われたことがある。

戦争が始まると、一番ひどい目に合うのは僕たちだよ。人ごとじゃないよ。

確かに、今は日本は平和なので、障がい者が威張っていられる。周囲にも障がい者には親切にしなければ、という強迫観念すらあるように見える。でもそれは、今の時代がいかに平和であるかという証拠なのだろう。

舞台の上で、反対を叫んで熱く政治反対演説を繰り広げる人の後ろで、Nさんは、ゴージャスなメンツとともに、出番までぼんやり待たされていた。時間は明らかに押しているが、熱弁はとどまるところを知らない。ふと振り返ると、少ない観客の誰一人聴いていない。

この場面ひとつとっても平和やなあ。と思う。

私も障がい者なのでなにか平和運動をした方がいいのかもしれない。けれど、やはり真剣になれない。眠たくなってしまう。

だって平和だから。

私は日本の今ここに平和はあるよ、と言いたい。オリンピックで外国に見せられるものはそれだと思う。いろいろな事件はあるけど、車椅子の私が生かされていて、威張って自分のやりたいことをやらせてもらっている。

中国にサークルで行って太鼓を叩いたとき、中国の市長が、車椅子の私が皆と一緒に来て太鼓を叩いているのを見て感動していた。今度は、こんなしょうもない私がコンサートを主催できる、日本の平和に驚いてもらいたい。

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