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聞いたことがあるだろうか。府中の郷土芸能『四季の調べ』
かつて景気がいい頃に府中市が、藤城先生というパーカッションの大家に依頼し、誰もが演奏できる新しい府中の郷土芸能として作った12曲。府中の四季を表現した曲だ。
そしてその芸能を普及しているのは私たち、『打・GAKUDAN四季』である。恐らく、府中在住の人でもほとんど知らない。でも存在している。
存在している、と書いた手前、本当に久しぶりに府中市のホームーページでその存在を探してみる。2004年ぐらいの講習会などに名前が出てくるが見つからない。遠い昔に市の補助も打ち切られているわけだし、ついに消されてしまったか、と思ったらあった。
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/bunka/bunka/katudo/minzoku.html
府中の芸術文化祭で、ほんの数年前まで、かっこいいそろいの法被に身を包んだ府中の花形郷土芸能『武蔵国府太鼓』の間に交じって、カラフルTシャツをきて毎年『わっしょい!』と舞台から叫んでいることで覚えている人もいるかもしれない。
このグループを25年以上続けているのはわれらがドンである。初期メンバーで残っているのはドン一人。もちろん私も団員だが、入団は2006年頃で、まだ日の浅いほうである。メンバーは20年選手も数人いるが、特に入ったばかりの人に指導するわけでも威張るわけでもない。頑張って動いている雰囲気を出している人もいない。2年に一度、総会で決まってドンを会長にみんなで選び、指導はドンにみんな丸投げしている。しかし今季は珍しく、Kくんが副団長に立候補し、準備運動を指揮するようになった。画期的だ。
府中の芸文から締め出しを食った理由は、我々にもよくわからないが、ドンが参加できなかったある年の芸文の時、片付けのやり方が悪かったとか、変な場所で着替えをしていたとか、なんか小さいことにクレームがつき、次回はもう結構ですとドンに連絡がきた。メンバーは、よくわからないまま、ざわざわとしているだけだった。ドンが『みんな、頭を下げてお願いすればもう一度芸術文化祭に出られるけどどうする?』と聞いたが、みんな特に頑張って芸文に!という人がいなかったため、そのままになった。
四季は、毎月千円の会費で、土曜日夜集まって4時間のうち、2時間をゆるーい感じで練習し、毎回近くの北樽という飲み屋で飲んで解散する。
夏にはこの四季がグリーンホールの舞台に上がる。
曲目は私が12曲から抜粋した『四季メドレー』と私の編曲した『荒馬の夢即興曲』。
『荒馬の夢即興曲』
この2曲の楽譜とデモ音源を作るために私は膨大な時間を費やした。ところが、そのデモと音源を前にして、ドンは『やっぱりメドレーじゃなくて、通常の2曲にしよう。』とのたまった。
全部苦労は水の泡ですか。と不満に満ちた中の1月荒馬練習第一日目。ドンから皆にはきょうから荒馬をやるというメールが皆に送られている。
ところが、私は琴を運ぶためにわざわざ車で来た末に、琴柱を忘れてしまった。
結局自分でさらに時間を無駄にしたのだった。
せめて持ってきたスピーカーで録音音源を、と思ったら電池が切れている。未練たらたらでけいこ場で音の出ないスピーカーをしつこくいじっている横で、ドンは淡々といつものようにいつもの曲を指導している。
私は一月に入って睡眠も足りず、頭の中ではいろいろやらなくてはならないことでいっぱいで今を生きていないために、やらかし率がマックス状態になっている。
ああ、練習はあと何回だろう…などと思いながら、人気のないタンバリンを適当にたたいていると元副団長のいがぐりに『そんな音じゃ聞こえないよ。もっと大きくたたいて!!』
へ?いがぐりが指導している?ドンが言った。
『みんな音に気を付けて。工夫していい音を出すんだ。』
私がブログに乗せなきゃと思い写真撮っていると
『なおこさん。なにやってるの?』『なおこさん主催でしょ!』
三五郎から指導が入る。
気が付くと、私が一番ぼんやりしている。
皆いつもの曲をいつもの楽器で弾いているが、ちょっと違っている。
『もっといい音を。』
焦ってペースを失っているのはどうも私だけらしい。
かつて景気がいい頃に府中市が、藤城先生というパーカッションの大家に依頼し、誰もが演奏できる新しい府中の郷土芸能として作った12曲。府中の四季を表現した曲だ。
そしてその芸能を普及しているのは私たち、『打・GAKUDAN四季』である。恐らく、府中在住の人でもほとんど知らない。でも存在している。
存在している、と書いた手前、本当に久しぶりに府中市のホームーページでその存在を探してみる。2004年ぐらいの講習会などに名前が出てくるが見つからない。遠い昔に市の補助も打ち切られているわけだし、ついに消されてしまったか、と思ったらあった。
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/bunka/bunka/katudo/minzoku.html
府中の芸術文化祭で、ほんの数年前まで、かっこいいそろいの法被に身を包んだ府中の花形郷土芸能『武蔵国府太鼓』の間に交じって、カラフルTシャツをきて毎年『わっしょい!』と舞台から叫んでいることで覚えている人もいるかもしれない。
このグループを25年以上続けているのはわれらがドンである。初期メンバーで残っているのはドン一人。もちろん私も団員だが、入団は2006年頃で、まだ日の浅いほうである。メンバーは20年選手も数人いるが、特に入ったばかりの人に指導するわけでも威張るわけでもない。頑張って動いている雰囲気を出している人もいない。2年に一度、総会で決まってドンを会長にみんなで選び、指導はドンにみんな丸投げしている。しかし今季は珍しく、Kくんが副団長に立候補し、準備運動を指揮するようになった。画期的だ。
府中の芸文から締め出しを食った理由は、我々にもよくわからないが、ドンが参加できなかったある年の芸文の時、片付けのやり方が悪かったとか、変な場所で着替えをしていたとか、なんか小さいことにクレームがつき、次回はもう結構ですとドンに連絡がきた。メンバーは、よくわからないまま、ざわざわとしているだけだった。ドンが『みんな、頭を下げてお願いすればもう一度芸術文化祭に出られるけどどうする?』と聞いたが、みんな特に頑張って芸文に!という人がいなかったため、そのままになった。
四季は、毎月千円の会費で、土曜日夜集まって4時間のうち、2時間をゆるーい感じで練習し、毎回近くの北樽という飲み屋で飲んで解散する。
夏にはこの四季がグリーンホールの舞台に上がる。
曲目は私が12曲から抜粋した『四季メドレー』と私の編曲した『荒馬の夢即興曲』。
『荒馬の夢即興曲』
この2曲の楽譜とデモ音源を作るために私は膨大な時間を費やした。ところが、そのデモと音源を前にして、ドンは『やっぱりメドレーじゃなくて、通常の2曲にしよう。』とのたまった。
全部苦労は水の泡ですか。と不満に満ちた中の1月荒馬練習第一日目。ドンから皆にはきょうから荒馬をやるというメールが皆に送られている。
ところが、私は琴を運ぶためにわざわざ車で来た末に、琴柱を忘れてしまった。
結局自分でさらに時間を無駄にしたのだった。
せめて持ってきたスピーカーで録音音源を、と思ったら電池が切れている。未練たらたらでけいこ場で音の出ないスピーカーをしつこくいじっている横で、ドンは淡々といつものようにいつもの曲を指導している。
私は一月に入って睡眠も足りず、頭の中ではいろいろやらなくてはならないことでいっぱいで今を生きていないために、やらかし率がマックス状態になっている。
ああ、練習はあと何回だろう…などと思いながら、人気のないタンバリンを適当にたたいていると元副団長のいがぐりに『そんな音じゃ聞こえないよ。もっと大きくたたいて!!』
へ?いがぐりが指導している?ドンが言った。
『みんな音に気を付けて。工夫していい音を出すんだ。』
私がブログに乗せなきゃと思い写真撮っていると
『なおこさん。なにやってるの?』『なおこさん主催でしょ!』
三五郎から指導が入る。
気が付くと、私が一番ぼんやりしている。
皆いつもの曲をいつもの楽器で弾いているが、ちょっと違っている。
『もっといい音を。』
焦ってペースを失っているのはどうも私だけらしい。
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