[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
最近髪を赤毛の坊主にした。そんな気分だったからだ。
不思議なことが起こった。
今まで、自分の姿を想像すると、なんか灰色イメージだった。いつも人に見られないようにこそこそしているイメージ。人と顔を合わせないイメージ。
ところが赤毛の坊主にしたら、自分を想像したとき、カラーで思い浮かぶようになった。キラキラして色白で、いつもにこにこしていて、活発で近寄りやすい車椅子の女性が思い浮かぶようになった。
鏡で見る自分より、想像する自分がすごくいい感じ。鏡を見たら、あれ、やっぱりそんなにきれいじゃないや、と気づく。でも落ち込んだりしない。鏡を見たからって、想像の姿のグレードが下がらない。自分の姿はいつも見えなから、自分はきらきらしているんだ、と思って街を動き回るようになった。
不思議だ。中身が変わったから赤毛の坊主にしたくなったのか、赤毛の坊主にしたから中身が変わってきたのかわからない。
でも、地味な性格を変えたくて…みたいなところを人に見せたくない、という屈折した考えがあって、素直になれなかったが、こういう姿にしたい、という願望に素直に従うことはとてもいいことだと実感した。
髪を切ってくれたのは、町田のLUMの店長。LUMは、わたしにとっては最高の店。
居心地のいい場所が自宅以外にほとんどない私の、珍しく癒される場所。
LUMでかかっている音楽は私好みの癒し系女性ボーカルが多い。髪を洗うスペースは暗くなっていて、壁にいつも変わった映画を映している。そこは別の音楽が不快でない感じで重ねて流れている。不思議な感じ。頑張っていないのに普通にアートな空気が流れる。
店長は穏やかさの極致で、にこにことただ嬉しそうにお客さんと話し、好きなように切ってくださいというと嬉しそうに、遠慮なく、本当に好きなように切ってくれる。その嬉しそうな姿が見たいので、店長にはなるべく注文しない。
切っている間、アフリカ人とおなじように裸になって、アフリカをかっこよく写す女性カメラマンのこととか、マイケルジャクソンが東欧が民主化したときの最初のライブ、バタバタ倒れるやつとかおしえてもらったり、音楽とかのことも教えてくれる。私もいろいろ語ってしまう。
この店長、昔はコンビニ弁当ばかり食べて倒れたことがあるらしいが、今は美人の妻と子供を養い、アートでアースでローカルでおしゃれなお店とのコラボをしながら、なんか地場産業・とか地産地消とか、よくわからないが、そんな、安定の人生に踏み出したようなふりをしている。というか自分でもそうだと思い込んでいる。
でも、もしかしたら、突然にこにこ笑いながら、どこかに放浪の旅に出て帰ってこないんじゃないだろうか、とひそかに想像したくなってしまうような男だ。
赤毛の坊主にしに来たと言ったら、店長は、「なかなか、坊主のオーダーはないですね。楽しいです。」と言って、意気揚々と、あっという間に赤毛の坊主にしてくれた。
ただ、店長流に、こめかみの毛の束を白のグラデーションで脱色してある。
鏡にうつった店長と二人で記念撮影した
コメント