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だから、私はコンサートをすることにした。

2019年、7月、会社を辞め、オリンピック開会式前日の2020年7月23日、調布グリーンホール。 オリンピック閉会式翌日の2020年8月10日調布たづくりホール確保した。 そして2020年3月24日オリンピック延期。新型ウィルスによる集会禁止。 一生に一度の地元のオリンピックで、外国から来た方に日本の音色でおもてなしをするという企画が、未曽有の事態によって、違う方向へ。 いつも最悪に見える人生のタイミング。運命は自分にいったい何を教えようとしているのか。 たった一人の音楽パートナードンとドンキホーテのように無鉄砲な企画に立ち向かう名もなき車いす。空を飛べるか。

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劇団カクスコ 井之上隆志 
18から東京に出てきて演劇の勉強をしていた時期がある。その頃はもちろんまだ車いすではなく、よく下北沢や新宿などあらゆる小劇場で芝居を見ていたものだ。好きな世界を、所属したいと思える場所を探していた。そして見つけたのが「カクスコ」だった。



「角型スコップ」からきた劇団名だが、とにかく好きだった。6人の男たちが一つ屋根で生活する何気ない日常の一コマ一コマを、ユーモアと落語のような小気味いいテンポの会話で見せ、大きな事件もドラマも起こらないただの日常が、本当に暖かくていとおしく感じてしまう芝居だった。

劇中でさりげなく歌うアカペラのコーラスは劇団の勢いそのままにエネルギッシュで、魂がこもっていて感動させられた。14年の活動期間の中で人気はうなぎのぼりで、テレビでも放送されるようになり、新宿TOPSでの公演のチケットはいつも完売。当日券も長蛇の列を作った。

私は好きなあまりに知り合いの知り合いであったカクスコのメンバーに会いに行って、入れてほしいと頼んだが、女性は入れる予定はないといわれてすごすご帰ってきた。カクスコの芝居に女性は一人も出てこないのだが、どうしてもあの世界の一員になりたかった。

解散したのが2001年だった。あのカクスコの芝居をまた見たくて、ニコニコ動画会員になったことがあったが、今日YouTubeにもいつの間にか沢山アップされていた。

カクスコで一番好きだった井之上隆志さんは、今どんな活躍をされているのか久しぶりに調べた。すると、なんと2017年56歳、癌でなくなっていたことを知った。

https://www.sankei.com/entertainments/photos/170308/ent1703080009-p1.html

そういうわけで今日はカクスコの最後の公演を見ながら、改めて彼らの芝居の世界に浸ってしまった。心が暖かくなった。



カクスコは自分の青春だったと思う。会ったこともない井之上さんが大好きだった。きっと仲良くなれたのではないかと思う。カクスコには遠い知人がいたのであの時、会うことはできたと思う。

手の届かないような人でも、死んでしまうと同じ時代に生きていたんだから、どうしてあってみなかったんだろうと後悔する。

柳家小三治に調布グリーンホールの駐車場であったことがある。あの時はものすごい勇気を出して、「素晴らしかったです。」と声をかけたら、一度座った助手席からわざわざ降りてきて「ありがとうございます。」と頭を下げられた。忘れられない思い出になった。

宮本亜門にも生きているうちに一度会っておかないと、まじめに思ってみる今日だった。
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